吹奏楽で、クラリネットを吹く魅力・役割とは?

より楽しむために

全国の吹奏楽部員を応援するこのブログ「吹ブロ!」を書いている、夢緒と申します。

少しでも多くの方に、吹奏楽を知って欲しい

すでに継続中の方には、より楽しく吹奏楽を続けてもらいたい

という思いで、このブログを書いています。

自分の「好きなこと」や「得意なこと」が見いだせず、ただ漫然と学校生活を送っていた小学生時代の筆者。

しかし、4年生で吹奏楽部に入り、たまたま担当になったクラリネットを吹くことになったことで、毎日が生き生きして、キラキラ輝き始めました。

自分に自信が持てるようになったことが、何よりも大きな変化でした。

私は、人生を変えてくれた吹奏楽が、何よりも大好きです。

でも、担当した楽器がクラリネットでなければ、ここまで楽しい部活人生を歩めなかったかもしれません。

ですので、クラリネットと出会うことができたことにも、心から感謝しています。

小学校4年生から始め、どんどん魅力にとりつかれていき、大人になった今でも大好きなクラリネット。

今回の記事では、これからクラリネットを始める、または始めたばかりの方へ、クラリネットという楽器の魅力を、吹奏楽的な目線と、私自身の経験をもとに、ご紹介したいと思います。

私は、残念ながらクラリネットのプロではありませんし、音楽大学を出たわけでもありません。

しかし、小学生という、楽器を持つのもやっとな年頃から手探りで必死に練習をした私だからこそ、初心者の目線に立ってクラリネットの魅力を紹介できるのではないか?と考えました。

吹奏楽やクラリネットに興味がある方

部活や鼓笛クラブなどで初めてクラリネットを吹くことになった方

クラリネット初心者、練習中の方

そんな方々に、ぜひこの記事で、吹奏楽部におけるクラリネットの魅力を知っていただく、もしくは再確認していただけたら、とても嬉しいです。

音域の広さが自慢!メロディ、伴奏、なんでもこい!

地味な印象だけど…演奏面では花形!

クラリネットを一目見て、みなさんはどんな印象を持ちますか?

吹奏楽未経験の友人や、吹奏楽に興味のない私の家族に、クラリネットのイメージを聞いてみると、こんな答えが返ってきました。

「色が黒色だし、見た目が地味」

「リコーダーが少し大きくなったような感じ」

「地味な見た目だから、おとなしい人が担当しているイメージ」

なんだか、ポジティブな意見が少ない気がしませんか?(泣)

でも、キラキラしているサックスやトランペットなんかと比べられてしまうと、黒色のクラリネットはどうしても地味な印象を持たれることが多いんですよね^^;

ですが、吹奏楽の世界に入って、楽器の特性や役割を知っていくうちに、そんな印象は消えていくはずです。

クラリネットは、オーケストラで言うヴァイオリンの役割を担います。

つまり、クラリネットのメロディで曲を引っ張っていくような場面も多く、クラリネットのメロディの音色が美しいかどうかで印象が決まることもあるので、決して地味なだけの存在ではないのです。

音域が広い!だからこそ役割が盛りだくさん、大忙し!

オーケストラでのヴァイオリンのようなメインのメロディを担当すること以外に、クラリネットにはもう一つ、大きな特徴があります。

なんとなんと…

4オクターブ近くもの、音域が出るのです!

これはなんと、吹奏楽で登場する楽器の中で、最も広いのです。

(例えば、花形のイメージのあるトランペットは2オクターブ半ほど。フルートも広いほうですが、それでも3オクターブに届かないくらいです。)

音域が広いというのは、「低音も高音も出せる」ということ。

高音域ではメインメロディを吹き、低音域ではリズムを刻むような伴奏役をこなし…とにかく大忙しなのです!!

曲のはじめから終わりまで、引っ張りだこなのです!!

そして、驚くのはまだ早いです。

クラリネットは音域によって、音色が少し変わるのです!

高音では、華やかな時にはとがったような音が出ます。

この音色で、メロディの演奏だけでなく、鋭い音色を利用して効果音的な使い方もできます。

低音では、柔らかな、木のぬくもりを感じられるような音が出ます。

この音色では、メロディを支えるハーモニーの役割を果たします。

こんなふうに、同じ1本のクラリネットなのに、音域による音色の違いをうまく操って演奏を楽しめるのです。

これは、吹奏楽自体が、クラシックだけでなくジャズやポップスなどの様々なジャンルの演奏が可能だということも、関係しています。

クラシック曲がメインとなるオーケストラでは、こんなふうにクラリネットの音色を活かして吹き分けるような機会は、ほとんどないでしょう。

比較的、伴奏役が多くなりがちなホルン奏者やチューバ奏者からは、よく渇望のまなざしを向けられます。

「メロディが多く吹けていいなぁ…」

「メロディと伴奏の、いいとこ取りができてうらやましい…」

なんて言われたりも。

心の中ではちょっと鼻高々ですが(笑)、実際は、ホルンやチューバの支えがあってこそ、クラリネットのメロディが引き立つのですけどね。

役割が多いからこそ、上手くなれれば全体を引っ張っていける存在に!

メロディから伴奏まで、クラシックからジャズまで、吹奏楽においては様々な顔があり、いつでも大活躍なクラリネット。

役割が多い分、やはり練習も多岐にわたります。

特に初心者の方向けの練習は、地味な繰り返し練習が多いので、ある程度吹けるようになるまでは

「なんでこんなにクラリネットパートは、苦労しないといけないんだろう…」

「難しい運指が多くて、本番までにできるようにならなかったらどうしよう…」

などと、辛く感じてしまう方もいるかもしれません。

まずは、ロングトーンなどの基礎練習を、とにかく継続すること。

安定した音で低音から高音まで、きちんと出せるようになること。

出せるようになったら、美しい音色を出せるようになること。

時には速い運指や難しい運指に対応できるよう、細かいパッセージを丁寧に練習すること。

……

役割が多い分、練習することも山ほど出てきます。

しかし、練習を続けて、上手く演奏できるようになってくると、

いろんな場面で活躍できて楽しい!

私たちがいろんな方面から演奏を支えているんだ!

私たちの演奏でみんなを引っ張っていんだ

と、自分の演奏に自信と誇りをもつことができるようになるんです。

この気持ち、経験したことがある方はお分かりかもしれませんが、

この感覚を得られてからは、演奏がこれまでの100倍、楽しくなります!

自信が持てると、演奏そのものも変わってきます。

「もっと、いろんな人に聞いて欲しい」

と思えるようになります。

また楽器は、その人の性格や、理想の音色に対する考え方が、音色に影響を与えます。

教科書通りのものではなく、自分らしさのある、その人だからこその魅力や、美しさのある演奏ができるようになっていくのです。

吹奏楽におけるクラリネットは役割が多く、大変ではありますが、その分自分の可能性を広げていくことができる、とても魅力的な楽器なのですよ♪

パート人数が部内で一番の大所帯!多くの先輩から学び放題!

パート人数が、楽器の中で最多!学べる相手がいっぱい!

先ほどもご紹介しましたが、吹奏楽におけるクラリネットパートは、オーケストラにおけるヴァイオリンの役割をします。

つまり、メインとなるメインメロディを演奏することが多いのです。

メインのメロディがきちんと聞こえないことには、演奏が成り立ちませんよね。

歌で言うと、伴奏ばかり聞こえてヴォーカルがきちんと聞こえないのと同じです。

クラリネットは、

1本では音がそこまで大きく出ない

ベル(音が出る場所)が下向きになる状態で演奏する

という特徴があるので、きちんと聞こえさせるためには、他のパートよりも人数が多くなる傾向があります。

(例えば、トランペットは1本で出る音量も大きく、ベルが前を向いているので、クラリネットより音が飛びやすかったりします。ですのでパート人数もクラリネットより少ないのが一般的です。)

このような理由で、クラリネットは他のどの楽器よりもパート人数が多くなります。

※通われている学校の規模や部員数、編成にもよるので、必ず大人数とはいえませんが、傾向として多くなる場合が多いです。

具体的な数字で示すと、例えばトランペットパートが4~5人いる吹奏楽団では、クラリネットは8人前後いるようなイメージですね。

パートの人数が多いということは当然、パート練習も、他のパートと比べて大人数で行うことになります。

パート内でメロディの動きを合わせたり、チューニングをしたり、音色をそろえたりする必要があるので大変だとも言えますが、私は逆に、この環境が上手くなれるチャンスがたくさんある魅力的な環境だと感じます。

少人数パートの場合、例えばチューニングをするにしても、少ない人数で合わせれば良いので効率よくできますし、サクッと終えられることもあるでしょう。

そういった、少人数ならではの魅力ももちろんあると思います。

ですが、大人数の場合は先輩の人数も多いので、いろいろな先輩のいいところや、良い練習方法を盗み放題なんです。

A先輩は速いパッセージが得意だけど、どうやって練習しているのかこっそり見てみよう。

B先輩はとても音色が綺麗だけど、リードは種類を使っているのかな?

C先輩はいつもチューニング完璧だなぁ。どうやって合わせてるか聞いてみよう。

こんな具合に、先輩たちそれぞれのいいところ・見習いたいところをパート練習中に学ぶことができます。

「こんなふうに吹きたい」という目標ができて、目標が明確であればあるほど、上手くなれるスピードが格段に上がります。

また、先輩の人数だけでなく同級生や後輩の人数も多いので、より早くうまくなりたい!という気持ちが芽生えやすい環境です。

先輩たちから多くのことを学べ、同級生や後輩と切磋琢磨しようとする環境が、クラリネットパートにははじめから用意されているということなのです。

憧れの1stの譜面を目指して…

また、クラリネットパートは、パート内で切磋琢磨できる理由がもう1つあります。

それは「1st争奪戦」が常に繰り広げられているからです。

クラリネットパートは曲を演奏する際、1st(ファースト) 2nd(セカンド) 3rd(サード)という3つの譜面に分かれて演奏します。

例えば、クラリネットパート合計で6人いるとすると、1stが2人、 2ndが2人、 3rdが3人というようにバランスよく振り分けられるのが一般的です。

それぞれ、譜面によって下記のような違いがあります。

1st …パート内で最高音担当、譜面の難易度も高い。メインメロディを主に担当。曲によってはソロもあり。

2nd …パート内で中音担当。1stとのハーモニー(ハモり)の役割が多い。

3rd …パート内で低音担当。初心者はまず3rdから。低音でパートを支える役割。

初心者のみなさんは、まずは3rdの譜面から練習を始めます。

「譜面に従って曲を演奏する」ということに慣れ、ある程度高音がきれいに出せるようになってきたら、次の段階として2ndの譜面を任せられるようになります。

そして、高音がらくらく出せるようになり、ただ出せるだけではなく「美しい高音」が出せるようになると1stを担当できる(1stの譜面が吹ける人は、当然3rdの譜面も吹ける)という流れです。

初心者のみなさんにとって、1stの譜面は憧れの存在。

クラリネットパートになったからには、一度でいいから1stの譜面を格好良く吹いてみたい!と感じるものです。

同級生の中で、一番早く1stの譜面を任せられたい!

先輩みたいに美しい高音で、かっこよく1stの譜面を吹きこなしてみせる!

こんなふうに憧れを抱きながら練習に励むことで、より具体的な目標を持って練習を続けることができるのです。

多くの先輩、同級生、後輩に囲まれて、より難しい1stパートの譜面を目標にして練習するという環境。

人数の多いクラリネットパートで長年過ごしてきた筆者は、この環境がとても魅力的だと感じます。

まとめ

吹奏楽の世界での、「クラリネット」という楽器の魅力。

小学校4年生から始めた私が、これまでに

「担当楽器がクラリネットでよかった!」

と思ったことをまとめてみましたが、いかがでしたか?

オーケストラの世界でのクラリネットとは、全然、役割や動きが違います。

地味な見た目に反して、非常にオールマイティで、どんな曲でも活躍の場面が用意されているのが、吹奏楽におけるクラリネットなのです。

その分練習は大変になりますが、自分の思うような演奏ができると、何十人での演奏をしているはずなのに、まるで自分が曲を引っ張っていっているかのような感覚で、とても楽しく演奏することができる楽器です。

私は、クラリネットを演奏している時、「生きていてよかった」とさえ感じます。

私の場合はちょっと大げさですかね^^;

今、うまく演奏できずに悩んでいるあなたも、

「こんなふうに吹けるようになりたい」

と思えるような、クラリネットパートの先輩や先生の音を聞いて、たくさん技術を盗んで下さい。

最終的には、あなただけが演奏できる魅力的なクラリネットの音色を、自信満々で響かせられるようになるといいなと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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