【吹奏楽コンクールレビュー】愛知県大会(一般・職場)、聴いてきました!子育て中、やっと…!生演奏が聴けた!

演奏会レポ

全国の吹奏楽部員を応援するこのブログ「吹ブロ!」を書いている、夢緒と申します。

少しでも多くの方に、吹奏楽を知って欲しい

すでに継続中の方には、より楽しく吹奏楽を続けてもらいたい

という思いで、このブログを書いています。

出産してから叶わなかった「生演奏を聴くこと」。やっと叶いました!

子育て中の筆者ですが、吹奏楽が大好きですので、楽器演奏自体はお休み中ですが、吹奏楽曲を聴くことは日頃から行っています。

子どもが寝た後などに、いつもYouTubeや音楽配信サービスから聴きたい楽曲を購入し、イヤホンを使ってこっそり聴くことが、日頃の楽しみなのです。

ですが、ついに!!

数時間ですが家族に子どもをお願いし、筆者一人で吹奏楽コンクールを聴きに行くチャンスを得ることに成功しました…!!

移動に時間がかかってしまうエリアだと難しかったので、比較的短時間で行ける範囲内で、という条件の中、

ホール独特の香りに包まれながらこれ非常に重要、落ち着いた状態で、「生演奏」を聴くことができる時間…

この日を、出産してからずっと待ちわびていましたので、本当に嬉しかったです(>_<)

ということで、愛知県内にある「幸田町民会館」で8月4日に開催された、愛知県吹奏楽コンクール(大学の部・一般職場の部)を聴きに行ってまいりました!

(筆者の居住エリアがバレてしまいますが、致し方ありません(^_^;)

コンクールは、この日の朝から夕方6時頃までの長時間にわたって開催されていましたが、筆者の家庭の都合上、一部の団体のみしか聴くことができませんでした。

聴いてくることができた団体について、筆者の感想を、順にご紹介したいと思います。

また、約10年ぶりに吹奏楽の生演奏を聴き、筆者が感じたことについても、ここに記しておきたいと思います。

愛知県大会(職場一般の部)合計9団体分の感想

演奏順8 Connect Symphonic Band

【課題曲】Ⅰ 行進曲「勇気の旗を掲げて」(渡口公康)

【自由曲】  斐伊川に流るるクシナダ姫の涙(樽屋雅徳)

・全体を通して力強く、生き生きとした演奏が印象的でした。

・課題曲→自由曲と演奏が進むにつれ、舞台上の団員のみなさんが楽しそうに演奏されているように映り、聴いていた筆者もとてもあたたかい気持ちになりました。

・自由曲では、かっこいい和太鼓の刻みがバンド全体をうまく引っ張り、物語が流れるように進み、どんどん引き込まれました。

・中でもトランペットパート・ホルンパートは高い技術力で、非常に安定感がある美しい高音で場を盛り上げ、会場を魅了していました。

演奏順9 西尾市民吹奏楽団

【課題曲】Ⅲ メルヘン (酒井格)

【自由曲】 交響的詩曲「走れメロス」(福島弘和)

・バンドとしてのサウンドが繊細で美しく、まとまりのある演奏でした。

譜面に対してとても丁寧に演奏されているように感じ、ハーモニーも美しく、バンド全体のレベルが安定しているように感じました。

・課題曲、自由曲ともに最後まで丁寧・繊細な演奏で、一般の部ならではの「大人の魅力」を感じる安定した演奏でした。

・筆者としては、もう少しメリハリや、「そのバンドらしさ」のようなものを出した演奏でも良かったかな、という印象です。

演奏順10 岡崎ブリランテウインドオーケストラ

【課題曲】Ⅱ 風がきらめくとき(近藤礼隆)

【自由曲】 宇宙の音楽(P・スパーク) 

・課題曲は、プレイヤーのみなさんが緊張されていたのか、譜面通りのきれいな演奏だな…という印象で、正直、特に強く印象に残る感覚はありませんでした。しかし!!自由曲に移って以降、バンド全体がとても生き生きとした演奏になったように感じ、聴いていた筆者も引き込まれていきました。

・自由曲は各パートでソロが多くありましたが、どのソロも非常に高い技術力で、音色も洗練されており、演奏レベルの高さに圧倒されました。ソリストのみなさん、すばらしかったです。

・イングリッシュホルンのソロは特に、言葉が出ないほど美しく、表現力がすばらしかったです。筆者にとって、最後まで印象に残るソロでした。

・自由曲の生き生きとした演奏に加え、各ソリストのみなさんのすばらしいソロが重なり、自由曲まで聞き終わった後は、初めとは印象がガラッと変わりました(もちろん、良い意味で^^)。

演奏順11 ルロウブラスオルケスター

【課題曲】Ⅲ メルヘン (酒井格)

【自由曲】交響詩「鯨と海」(阿部勇一)

課題曲の1音目(音の入り)を聴いた時点で、サウンドの美しさと力強さに、圧倒されました(><)

・課題曲・自由曲ともに、バンド全体の「音の入り&切り」「スピード感」「リズム感」が、細部にわたってピッタリ統一された演奏で、ただ力強いだけではない、圧倒的な存在感を示していました。

・音の入り&切りは合奏の基礎的な部分のように感じますが、バンド全員できれいに揃えるのは、非常に難しいものなのです。この部分が揃うだけで、こんなに迫力が増し、圧倒されるものなのか…と感嘆しているうちに、あっという間に演奏が終わってしまいました。

・バンド一人一人の技術力の高さという土台があり、さらに非常に細かい部分までバンドとしての統一感を感じ、難しい曲を演奏しているはずなのに、余裕すら感じました。聴いている人の体全体に振動が伝わるくらい、奏者のみなさんの気迫が伝わってくる熱い演奏で、圧倒されました!

演奏順12 豊田楽友協会吹奏楽団

【課題曲】Ⅱ 風がきらめくとき(近藤礼隆)

【自由曲】交響詩「あんたがたどこさ」(林大地)

・ 課題曲を聴いた時点では、正直なところ、「きれいで、まとまりのある演奏だな」という感じで、特に強く印象に残る感じはなく…。ですが、自由曲に移ってから雰囲気が一変。プレイヤーのみなさんの本領発揮となり、リズミカルで軽快なメロディと、うっとりするほどきれいな中間部のメロディの対比を、見事に表現していました。

・自由曲では各パートでソロが目立ちましたが、どのソロもとても魅力的で、曲の魅力をさらに引き出してくれるようなすばらしいものでした。

・課題曲の時点でアピールポイントが少し弱かったかなと思える点が、技術力が安定しているからこそ少し勿体なかったかなという印象ですが、木管だけ目立つ、金管だけ目立つなどがなく、バンドとして非常にバランスのとれたサウンドでした。

演奏順13 港南吹奏楽団

【課題曲】Ⅳ フロンティア・スピリット(伊藤宏武)

【自由曲】眠るヴィシュヌの木(樽屋雅徳)

・筆者が聴いた団体の中では比較的、女性プレイヤーが多い印象でしたが、実際の演奏はとても力強く、プレイヤーのみなさんが演奏そのものを楽しんでいるのが伝わってくる演奏でした。

・特にコンクール本番などは、開始早々はなかなか波にのれず自由曲から本領発揮…となることがよくある中で、こちらの団体は課題曲の演奏開始早々から自分たちの流れを作り、その良い流れを保ったまま演奏終了まで持って行ったところが、非常にすばらしかったです。

・自由曲は特に表現力の高さを感じ、聴いていて物語を読みすすめているような感覚で、楽しく聴かせていただくことができました。中でも、途中で登場するサックスソロは、技術・表現力ともにすばらしいもので、聴く人を圧倒するものでした。

演奏順14 安城ブラスオルケスター

【課題曲】Ⅰ 行進曲「勇気の旗を掲げて」(渡口公康)

【自由曲】 アスファルト・カクテル(J・マッキー)

・課題曲の入りの時点で、あまりの完成度に、驚きを隠せませんでした…。一般職場の部は本日の愛知県大会が一番初めの大会ですが(県大会→東海大会→全国大会(本大会)と進むわけです)、今日ってまだ愛知県大会だよね…?それでこの完成度…?と思うほど、リズム・ピッチ・バンドとしてのサウンド…どこをとっても完成度の高い演奏でした。

・自由曲は、2022年度の全日本吹奏楽コンクール(いわゆる全国大会)で、龍谷大学吹奏楽部が演奏したことで知名度が上がった曲です。そしてこの曲は、超絶技巧が求められる&変拍子がたびたび登場するような、非常に難しい曲なのです。その曲を選んでいる時点ですごいわけですが、この県大会の時点で、信じられないほど完成度の高い演奏でした。

・各ソロも、非常に高い技術力が求められるものばかりでした。ソリスト全員が自信たっぷりの演奏で、余裕さえ感じられるほど、ソロをすでに自分のものにしているように感じました。

・超絶技巧も変拍子も、全員が難なく吹きこなしているのが分かるほどで、一人一人の技術力が、ずば抜けて高いバンドでした。全国大会レベルの演奏で、正直、演奏後もしばらく余韻に浸ってしまいました。もう、圧巻です。

演奏順15 カルペディウム ウィンドアンサンブル

【課題曲】Ⅲ メルヘン(酒井格)

【自由曲】「スオイリットファイア」よりプレリュードとフーガ(W・ウォルトン)

課題曲で、すでに良い流れに乗って演奏できている感じを受け、さらにバンドとしてのバランスの良さがありました。

・自由曲は、特に木管楽器に高い技術力が求められる曲でしたが、早いテンポ&難しい運指が求められる場面で曲の流れが滞りがちになったり、少々ばらつきが出たところが、少し勿体なかったかなと感じました。

・全体を通して、個性的で強く印象に残る演奏というよりも、とてもきれいにまとまった演奏という印象を持ちました。また、特に最近は自由曲でクラシック曲を選ぶことが減ってきているように感じることがありましたが(現代音楽が増えてきているように感じるのです)、やっぱりクラシック曲いいな~^^と思わせてくれる演奏でした。

演奏順16 東海市吹奏楽団

【課題曲】Ⅲ メルヘン(酒井格)

【自由曲】エルサレム賛歌(A・リード)

・筆者が学生だった頃から、社会人吹奏楽団として愛知県内で実績のある、有名な楽団です。そして今回の演奏もさすがの完成度で、貫禄のある演奏でした。

課題曲の時点ですでに「譜面通りの演奏」を超えた、非常に聴き応えのある作り込まれた演奏でしたが、自由曲はそれを上回るものでした。表現力の高さ・表現力の豊かさが光る演奏で、一人一人の技術力が非常に高いことが分かる演奏でした。特にトランペットのハイトーンの精度は脱帽レベルでした。

・課題曲の終盤、トランペットとトロンボーンの奏者の方々が立ち上がった時、思わず「きたーー!!」と心の中で叫んでしまいました。そして、期待を裏切られることなく、キラキラ輝くような、力強くも美しいファンファーレを聴かせていただき、強く印象に残りました。

約10年ぶりに大好きな吹奏楽の生演奏を聴いて、感じたこと

吹奏楽を聴くにあたり、生演奏に勝るものはない。

楽団紹介のアナウンスから始まり、緊張の出だし。

舞台転換中のザワザワ感。

体全体に振動が響きわたるような、パーカッションの効果音。

舞台上で緊張しながらも、真剣に、生き生きと演奏しているプレイヤーのみなさんの息づかい。

挙げだしたらキリがありませんが、この「本番ならでは」の雰囲気・空気感が、たまらなく「エモい!!」と感じました。

うわー、これこれ!!この感じ!!という、コンクールのワクワク感。

このエモい感覚が味わえただけでも、会場へ出向いた甲斐があったと強く感じました。

そんな、特別な雰囲気を味わいながら吹奏楽の生演奏を聴いて、改めて、筆者は本当に吹奏楽が好きなのだと、生きがいなのだと再確認しました。

普段、イヤホンでしか聴くことができなかった吹奏楽を、約10年ぶりに生で聴くことができたわけですが、率直に言って「生きててよかった」と思えるほど満たされた時間でした。

私も、出産前まで吹奏楽をやっていたんだよな…

早く再開したいな…

という思いに浸りながら、貴重すぎる時間を過ごしました。

吹奏楽は、生演奏に勝るものはありませんね。

まとめ

今回の記事では、愛知県吹奏楽コンクール(職場・一般の部)の中で、一部の団体(合計9団体)の演奏を筆者が実際に聴くことができましたので、そのレビューを書かせていただきました。

コンクールに出場されたみなさん、出演者の関係者のみなさん、猛暑の中で本当にお疲れ様でした。

職場・一般の部は、「これまで吹奏楽を続けてきた(過去に経験した)方」で構成された楽団が多く、その中でもコンクールに出場する団体は特に、その割合が多いとは思います。

ですが、それにしても、そもそもの演奏レベルが非常に高いことが、よく分かりました。

どの団体も気持ちのこもった演奏で、これまでの練習の成果を出しきる!聴いてくれ!!という思いが伝わってくるもので、とても熱い戦いを見せていただきました。

本当に本当に、お疲れ様でした。

筆者が、いち「吹奏楽ファン」として、最高の時間を過ごさせてもらえたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

子育てや仕事との両立でつらいと思うことばかりの日々でしたが、大げさかもしれませんが「生きてきてよかった」と思えるくらい、満たされた時間でした。

子育て中の身ですので身軽に、簡単に…とはいきませんが、また機会を見つけて生演奏を聴き、レビューを書いていけたらと思っています。

吹奏楽の生演奏の魅力を、改めて体感させていただきました!

本当に、心に響く演奏ばかりでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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