全国の吹奏楽部員を応援するこのブログ「吹ブロ!」を書いている、夢緒と申します。
少しでも多くの方に、吹奏楽を知って欲しい
すでに継続中の方には、より楽しく吹奏楽を続けてもらいたい
という思いで、このブログを書いています。
この記事では、吹奏楽で登場する楽器を、初心者向けに解説しています。
今回は打楽器、コントラバスの紹介と、楽器ではありませんが、重要ポジションである指揮者の役割も紹介します。
打楽器の種類
打楽器は、パーカッションとも呼ばれます。
打楽器担当は、以下に紹介するたくさんの種類の楽器を、曲ごとや場面ごとに交代して演奏します。
つまり、クラリネットだけ担当する、トランペットだけ担当する、というような管楽器とは違って、打楽器担当はたくさんの種類の楽器のプレイヤーとなるのです。
ティンパニ
- ただの太鼓じゃなく、ドレミを操ることができる!
- 4台~5台がセットで使われる(運搬がちょいと大変…)
大きな太鼓が4台~5台、奏者を囲むように並べられているのがティンパニ。
なんと、太鼓の見た目なのに、ドレミを表現できる(音を変えられる)のです!!
どうやって音を変えているかというと…足もとにあるペダルで変更できます。
太鼓としてリズムを刻むだけではなく、木管楽器・金管楽器のようにメロディを任される場面もあり、実はいろんな顔があるのがティンパニなのです♪
リズム感だけでなく音感のセンスが問われる楽器なので、パーカッションパートの中では経験豊富なベテランが担当することが多く、バチを振り上げて演奏する姿は、格好良さ抜群です!
小だいこ(スネアドラム)
- 打楽器の中心!そしてバンドの中心!安定したリズム刻みでバンドを引っ張る
- マーチ、ポップス、クラシック、ジャンルを問わず大活躍!
小太鼓(スネアドラム)は、一定の細かいリズムを刻んで、バンドを引っ張っていってくれる存在です。
特にマーチ(行進曲)では、小太鼓の安定したリズム刻みで、指揮者が不在でも演奏を進めることができてしまうほど。
その分、責任は重大です…(小太鼓が遅れると、バンド全体が引っ張られ……。)
大だいこ(バスドラム)
- バンドの心臓のような存在!要所要所でリズムを刻む
- 演奏以外の場面でも、効果音として活躍
小だいこの細かな刻みに対して、大だいこ(バスドラム)は大きくリズムを刻んでいくことで、心臓の鼓動のようにバンドを進行させる役割をします。
演奏場面だけでなく、運動会での玉入れのカウントや、学芸会での大砲の音など、効果音としての役割で学校行事などでたびたび登場する場面があります。
木琴(シロフォン)、鉄琴(グロッケン)
- 打楽器のメロディ担当♪
- 木の堅い音、オルゴールのような柔らかい音まで表現できる
シロフォンは木琴、グロッケンは鉄琴のことです。
これらは、音楽の授業や発表会などで演奏したことがある方も多いと思います。
シロフォン(木琴)は、木の板をたたいて演奏するので、堅く、乾いた音(コンコン、コロコロ、という感じ)が出ます。
シロフォンによく似た楽器で「マリンバ」という、シロフォンよりも大型の木琴もあり、こちらはシロフォンよりも柔らかい音が出るという違いがあります。
グロッケン(鉄琴)は、薄い金属の板が並んでいて、キラキラとした高音が出ます。
これもまた、似た楽器として足下にペダルがついた「ビブラフォン」という鉄琴があり、こちらはペダルを使って音を伸ばすことができます。音色もグロッケンとは異なり、とても柔らかで、溶け込むような音です。
木琴も鉄琴も、「マレット」という、叩くための棒を使って演奏します。
このマレットにもたくさんの種類があり、必要に応じて使い分け、音色を変えて演奏します。
難しい曲だと、一度に3本、4本ものマレットを持って演奏する場面があることも!
その他の打楽器
トライアングル、カスタネット、タンバリンなど
三角形のトライアングル、円形のカスタネットやタンバリンなどなど…
一般的によく知られているこれらの楽器も、吹奏楽において打楽器の一つとして使われます。
「カスタネットやタンバリンなんて、学校でやったことあるし…」と思った、そこのあなた!
↓これは、吹奏楽でよく登場するカスタネットです。
学校で使ってきたカスタネットとは、少し見た目が違っていませんか?
これはスパニッシュカスタネットという種類で、片手に1つずつ持って演奏するのです。
タッタカ タッタカと、スペインのフラメンコを思わせるような音で、曲を盛り上げてくれるんですよ!
みんなが知っているカスタネットですが、吹奏楽の世界でもかっこよく活躍するのです。
ウインドチャイム、シンバル、ウッドブロックなど
長さが異なる細い棒が上から吊り下げられている、ウインドチャイム。
指で左右に触れていくと、キラキラとした音が出ます。
また、大きなお皿のような形の楽器を重ね合わせて演奏するシンバルは、ご存じの方も多いと思います。吹奏楽で、盛り上がる場面には欠かせない楽器です。
シンバルにも種類があり、↑上の写真は「サスペンドシンバル」という種類です。
一般的な2枚重ねのシンバルとは違い、器具に固定されて立っているタイプのシンバルです。
「サッシン」と呼ばれていることも多く、吹奏楽では、サスペンドシンバル単体で使う場面だけでなく、ドラムセットと組み合わせて使われる場面もあり、登場シーンが多いのです。
サスペンドシンバルを単体で演奏する時は、木琴などの演奏にも使う「マレット」で叩いて演奏します。
↑上の写真、楽器の名前は「ウッドブロック」といいます。
学校での発表会などで効果音用として使われることも多いので、見たことのある方もいるかと思います。
ポコポコとした、木の音色が特徴です。
こんな楽器、本当に吹奏楽で使うの?と思われるかもしれませんが…
そうなんです。意外と、吹奏楽ではよく登場します。ポップス曲なんかと相性がいいのです♪
コントラバス
- 吹奏楽にも必要とされている唯一の弦楽器
- チューバより低音が出せる
- めちゃめちゃ「響く」!バンドの音がまとまる!
管楽器と打楽器で構成されている「吹奏楽」ですが、弦楽器のコントラバスが登場する場合があります(楽団によっては不在の場合もあります)。
私がはじめて吹奏楽部に入部した小学校では、コントラバス担当はいませんでした。
中学校の吹奏楽部で初めてコントラバスを目の当たりにして、中学1年の私は、
「え!!オーケストラじゃないのに、なんでコントラバスがいるの?!」
「コントラバス、でっかー!運ぶの大変そう…」
などと、大変失礼なことを思ったのでした…。
特に先輩たちや顧問からも何の説明もなく、当たり前にコントラバス担当が合奏に混ざっていて、頭の中が「???」となったのを覚えています。
その後、吹奏楽ではクラリネットパート用、トラッペットパート用などと同様に、コントラバス用の楽譜が用意されていることを知り、「パートとして必要だから」コントラバス担当がいるのだと知ったのです。
楽譜があるということは、そのパートが必要ということですよね。
また、コントラバスは、なんと管楽器の最低音域を担当するチューバよりも、低い音が出るという強みもあります。
低音の金管楽器は音色に荒さが出てしまう場合がありますが、コントラバスの音色が、それを包み込んでくれてまとまりを与えます。
そして、コントラバスの低音であたたかみのある音は、とにかく、とってもよく響くんです。
学校の音楽室では気づきにくいですが、音楽ホールなどでコントラバスの音色を聴くとそれがよく分かります。
楽団全体を包み込むような力があり、管楽器の様々な音をひとつにまとめているのです。
私は、体格が大きいとは言えない中学生が、大きな大きなコントラバスを演奏する姿を見て、はじめは「大変そうだなぁ…」
なんて思っていましたが、コントラバスの音色の美しさやバンド内での役割を知っていくうちに、
「コントラバスって、めちゃめちゃかっこいい!!」
と思うようになったのでした。
「指揮者」って、何をしているの?
これまで、各楽器(パート)の紹介をしてきましたが、まだ一人だけ、紹介できていない人がいます。
それが、忘れてはならない「指揮者」。
小学生・中学生のみなさんにとっては「指揮者=顧問の先生」となることがほとんどだと思います。
高校生以上になると、「学生指揮」といって、顧問の先生(大人)ではなく、部員の中から指揮者を選出する場合もあります。
「指揮者」と聞いて、どんなイメージがありますか?
「演奏がバラバラにならないよう、指揮をふって曲のテンポを示す」という役割がイメージしやすいのではないでしょうか。
実は、指揮者は、ただテンポのために指揮棒を振っているだけではありません。
日々の練習計画を立てている
指揮者はその楽団において、演奏面の責任者です。
具体的には、毎日行う基礎練習や、練習計画なども指揮者が中心となってプランを立てます。
- どんなバンド(楽団)にしていきたいか?
- パート(楽器)ごとで、課題は何か?個人個人で見ると、どうだろうか?
- 今のメンバーで演奏するのに、どんな曲がふさわしいだろうか?
などなど、考えなければならないことでいっぱいです。
もちろん、これらの課題を指揮者だけではなく、部員全員で考えながら活動をしていくわけですが、
指揮者がそのまとめ役となります。
各パートとコミュニケーションをとる
指揮者がまとめた課題や練習計画は、下記のような流れで各パートへ伝えられます。
1、指揮者が各パートリーダー(各楽器の責任者)に伝える
2、パートリーダーが各パート内に指揮者の意向を説明し、パートごと・個々で実践していく
もちろん、練習していく過程で練習方法や方針が変わることもあります。
その場合は都度、パートリーダーと連携をとり、演奏会やコンクールまでの残り時間を考えながら、この作業を繰り返していきます。
そして、コミュニケーションは、指揮者側からだけではありません。
練習していて困ったことや、分からないことがあれば指揮者に伝えることも、重要なコミュニケーションです。
指揮者へ直接伝えるのではなく、パートリーダーを通して伝える方法もあります。
指揮者からの一方通行ではなく、個人やパート側からもコミュニケーションをとり、指揮者側から見えていない部分をぜひ伝えていきましょう。
(とは言っても、指揮者って、なーんか話しかけづらいですよね…。分かります…。
でも私の経験上、よほど気難しい指揮者でなければ、相談してもらえて嬉しいはずです。
もし心配なら誰かと一緒にでもいいので、ぜひ話してみてくださいね!
意外と、すぐ親しくなれるかも? ♪)
「スコア」という本を読んで楽曲を研究している
また、指揮者はすべてのパートの楽譜が書いてある「スコア」という本を読み、各パートの動きを把握した上で、指揮棒を振っています。
実は、スコアを読めるようになるには、すべての楽器の特性や音域などをある程度理解していないといけません。
スコアを読むことは、実はとっても難しいのです。
スコアは普段、指揮者の座席に置いてあることが多く、見た目は分厚い本のようなものです。
指揮者にとって命のようなものなので、スコアは大切に扱ってくださいね。
(指揮者の不在時にペラペラめくって遊んだり、落書きしたりがバレると… (;゚ロ゚))
スコアは、曲ごとに1冊ずつありますので、何曲も演奏する場合は、それぞれのスコアを読む必要があります。
練習の時は、指揮を振りつつ、スコアを読みながら、パートごとや個人の音を聞き分け、そろっていない部分を合わせていく作業をしていきます。
つまり、個々やパートごとの音を聞き分ける力も必要です。
スコアを読み込む力と、耳で音を聞き分ける力がないと、指揮者は務まらないのです。
指揮者は、腕だけ使っているのではなく、頭で考え、耳で聴きながら指揮を振っているんですね。
指揮者も、楽器を吹いていないからといって、決して楽ではないことをおわかりいただけたら嬉しいです。
まとめ
今回の記事では、吹奏楽で登場する様々な打楽器と、弦楽器ながら吹奏楽でも大活躍するコントラバスについて、ご紹介しました。
また、指揮者って何者なのか?についても、ご紹介しました。
打楽器は、ここではご紹介しきれていない楽器がまだまだたくさんありますが、今回ご紹介したものだけ知っておけば、初心者レベルとしては充分です!
この記事が、これから吹奏楽をはじめる方の基礎知識として役立つことがあれば、大変嬉しく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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