全国の吹奏楽部員を応援するこのブログ「吹ブロ!」を書いている、夢緒と申します。
少しでも多くの方に、吹奏楽を知って欲しい
すでに継続中の方には、より楽しく吹奏楽を続けてもらいたい
という思いで、このブログを書いています。
吹奏楽部で人生がどう変わったか、体験談を紹介します。
部活なんかで人生変わる?と思っている方。筆者は、変わりました。
このブログの中で何度も書いてきましたが、吹奏楽部は、個人で楽器を演奏するのではなく、楽団として合奏をすることがメインです。
楽団の中ではすべての楽器が欠かすことのできない存在で、そこには主役・脇役などの違いはありません。
「トランペット=吹奏楽の主役」
というイメージがあるかもしれませんが、それはあくまで、「譜面上の主旋律を担当することが多い」というだけのこと。
主旋律がかっこよく聞こえるのは、伴奏となる他の楽器の存在があってこそです。
もちろん、このブログを書いている私自身も、吹奏楽部に入った当初はそんなことまで理解していませんでした(^_^;
もともと音楽が好きだったこと、楽団に混じって楽器の演奏をしてみたかったことなどが入部のきっかけですが、まさか、自分の人生を良い意味で、大きく変えてくれるきっかけになるとは思いもしませんでした。
そんな、人生を変えただなんて、大げさな…。
と思われてしまうかもしれませんね。
そこで、この記事では、筆者が吹奏楽部に入部したことでどんな変化があったのか、どんなふうに変化・成長して何を得たのかを、ご紹介しようと思います。
(このブログの筆者であり、吹奏楽で人生が変わった私のプロフィールは、こちらに紹介しています。)
人生を変えてしまうほどの魅力・力がある、吹奏楽部。
入部を迷っている方にぜひ一度読んでいただき、少しでも背中を押すことができたら、これほど嬉しいことはないと思っています。
【筆者の体験談】吹奏楽部入部前と後で、どのように変わった?
【体験談①】引っ込み思案で言われたい放題な毎日。そんな時「この中の一員になってみたい」という思いで入部を決意。
筆者が吹奏楽部に入部したのは、小学校4年生でした。
幼少期から音楽好きで、習い事でピアノやリトミックを習っていましたが、それ以外の勉強やスポーツにはあまり興味が持てない子どもでした。
特に、スポーツなんて大の苦手で、体育の授業なんて地獄のようでした。
周りからは、あなたのせいでドッジボールで負けた、あなたの足が遅いせいで勝てなかったなど、言われたい放題。
自分の意見を強く言えるタイプではなかったので、ごめん…と謝るだけで、言い返すことはできず。
そんな日々で、自分に自信が持てないまま学校生活を過ごしていました。
4年生になり、入部前の見学で吹奏楽部の演奏を聴き、「この中の一員になってみたい」と感じて入部を決意しました。
クラスでも存在の薄い(むしろ悪い意味で目立つ(; ;))、地味な、どこにでもいる小学生だった私が、これをきっかけに、吹奏楽部が学校の中での大切な居場所になっていきます。
【体験談②】コツコツ練習を続け、周りから認められ始め、自信が持てるように。
もともと習っていたピアノで譜面の読み方や音階の知識があったことと、休まずにコツコツと楽器の練習を続けることができたことで、少しずつ楽器の技術もつき始めました。
5年生になる頃には、顧問であり指揮者でもある先生から、少しずつ認めてもらえるようになります。
例えば、同級生の中でも、私を含めた決まったメンバーだけが、先輩と同じ難しいパートを任せてもらえたり、自分自身の音色や吹き方を全体合奏の場面で褒めてもらえたり、というような感じです。
もちろん、私以外の部員たちも同じように練習していますので、私だけが特別に上手だったわけではありませんでしたが、自分自身を「周りから認めてもらえた」という経験が少なかった私にとって、とても嬉しかったのを覚えています。
【体験談③】自分に自信が持てると、周りの目も変わってくる
認めてもらいたい一心で練習を続け、6年生の頃にはあこがれの「パートリーダー」に選ばれました。
中学へ入学後も吹奏楽部へ入部し、中学3年の頃、部員数50名の吹奏楽部で副キャプテンに選ばれました。
相変わらず運動は苦手でしたが、それでも「これなら他の人と勝負できる」というものを見つけたことが、ゆるぎない自信を与えてくれました。
そして、自信が持てるようになると、周りの目も変わってくるのです。
部員だけではなく、クラスメイトや他の先生たちからも
「部活、頑張っているね」
「コンクール、県大会まで進んでいるって全校集会で言っていたね。応援しているよ」
というふうに声をかけてくれるのです。
部活で認められたことがきっかけで、学校生活そのものが変わりました。
【体験談④】学校生活が生き生きして、勉強も部活も頑張ろう!と思えるように。
自信を持てるようになり、学校生活そのものが変わってくると、自分の中で気持ちの変化も起こり始めます。
具体的には、部活だけ頑張ればいいという考えから、それ以外のことも頑張ってみよう、頑張れそうという気持ちが持てるようになっていったのです。
音楽と同じような感じで、聞きながら「音」として勉強しやすい英語は、自分にとって楽しく学べることに気がつきました。
また、吹奏楽部顧問の先生の専門科目が社会だったので、社会の成績が悪いとなんだか恥ずかしいなぁ…という思いから、「一応、きちんと勉強しとくか…」という気持ちにもなりました(^_^;
(「いやいや、最初からきちんと勉強しましょうよ…」という指摘はごもっともなのですが…ハイ。)
苦手な体育で失敗しても、以前のように、いちいち大きく落ち込むことはなくなりました。
(性格上、無かったことにはできないタイプなので落ち込むことは落ち込むのですが、「失敗したものはしょうがない!私、どうしたって体育苦手だし!」と、少しばかり開き直ることができるくらいになりました。笑)
私が通っていた学校の吹奏楽部は当時、そこそこの強豪校の仲間入りを果たしていたこともあり、
平日は絶対に毎日、練習がありました。
土日も当然のように、朝から夕方まで部活があり、
「今日は一度も音楽室に行っていない」
という日は1年で数えられるほどしかありませんでした。
吹奏楽部は1年を通して行事の多い部活動ですので、活動オフ期間もありません。
そんな毎日を過ごしながら、友達付き合い、定期テスト、学校行事、高校受験…。
今考えると大変なスケジュールを、我ながらよくこなしたなぁと思います(^_^;
(先生たちの働き方が変わってきたこともあり、おそらく、今時の学校の部活動や地域のクラブでは、ここまでのスケジュールを組まれる学校は少ないと思います。
すべての吹奏楽部がここまで練習漬けということではないので、ご安心下さい。あくまで、私の学生時代の頃の話です^^)
でも、なぜこのようなスケジュールをこなせたのだろう?と考えてみると、吹奏楽部員であることに誇りを持てるようになっていたからではないか、と思います。
この時、「部活をやらされている」という感覚はすでに無くなっており、もはや生活の一部であり、自ら「頑張りたい」と思えるようになっていました。
ですので、大変な練習もスケジュールも、まったく苦しいとは思わなかったのだと思います。
【親から理解されなかった、筆者の苦い思い出話】
私自身は、部活を頑張っていることが誇りでした。
そして、自分なりに、勉強もおそろかにしないようにしていたつもりでした。
でも、親からは
「たかが部活。勉強を頑張っていない(テストの点数が低い)のなら、何の意味も無い」
と思われていました。
私は自分の親から、部活の魅力に共感してもらえなかったことや、部活を頑張っていることを心から応援されていないと感じる状況が、とても悔しかったです。
吹奏楽は、練習試合や他校との交流、親との交流が少なめで、狭い世界になりがちで理解されにくい部活動なのかもしれないなぁと感じます。
親御さんにもぜひ吹奏楽部の魅力を知ってもらいたいし、理解してもらいたいという思いで、こちらの記事も書いています。
吹奏楽部員をお持ちのご家族の方、よろしければ読んでみてください。
【体験談⑤】一人一人の音で作り上げられる合奏の魅力・尊さに気づき、吹奏楽のとりこに。
そして、私自身このことには後から気づいたのですが、どうやら私は「一人で頑張る」ということよりも、「みんなで一つの目標に向かって頑張る」ということの方が好きなようです。
例えば、徒競走よりも、リレーの方が好きなタイプということですね。
吹奏楽は、ソロ演奏ではなく、合奏をするのがメインです。
合奏では、同じクラスのトランペット担当・Aちゃんも、隣のクラスのチューバ担当・Bくんも、後輩の打楽器担当・Cちゃんも、みんなで合わせることにより一つの曲ができあがります。
例えば…
Bくんが学校を休み、チューバ担当が不在になった日の合奏では、音の厚みがないペラペラな合奏になってしまいました。
Cちゃんが学校を早退してしまった日は、スネアドラム(小太鼓)を担当できる人が不在となり、リズム刻みがなく締まりのない合奏になってしまいました。
こんなふうに、誰かが欠けるだけで、合奏の完成度がイマイチになってしまうのです。
全員揃って合奏ができたときの喜び、サウンドの重厚感は格別です。
この「全員が必要なパーツとなって、作り上げている」という感覚が、とんでもなく「尊い!!!」と感じました。
この感覚に気づいたときは、
「私はこの世界観が好きなんだ!」
「決まった人だけが活躍する世界ではなく、吹奏楽のような全員が活躍する世界が、私の理想なんだ!」
と感じ、全身に鳥肌が立つような、霧が晴れるような感覚になったのを、今でも覚えています。
この感覚は、自分自身が人生において大切にしたい「価値観」に気づいたような感覚とも言えると思います。
(おそらく、幼少期~入部前までに感じていた自分自身への劣等感や、他人との比較でネガティブになることが多かった経験から、知らず知らずのうちにこんな理想を描くようになったのかなぁと、今になって思います。)
この「誰も欠けてはいけない」という吹奏楽の尊さ・魅力に気づいてから、ますます
もっともっと上手くなって認められたい!
もっともっと魅力的な、今いる部員でしか表現できない合奏をしたい!
という気持ちがわいてきて、気づいたころには吹奏楽のとりこになっていました。
吹奏楽部に入部しなければ、この感覚を知ることはできなかったと思いますし、
自分自身、ここまで変わることはできなかったと思います。
まとめ
筆者の学生時代の体験談を、
・吹奏楽部入部前と後で、どのように変化したか
・入部してからの心の変化や成長
を中心に、ご紹介してみましたが、いかがでしたか?
吹奏楽部の
音楽活動をする場所
みんなで一つの曲をつくりあげる場所
部員全員の存在が不可欠で、全員が主役となれる場所
という特徴が、筆者の性格や価値観に合っていたこともあり、ここまでの変化をもたらしてくれたのではないかな、と感じています。
もちろん、吹奏楽部をすべての人におすすめできるわけではありませんが、私のように、吹奏楽部に入ることで、それまで以上に輝ける人もたくさんいるはずだと、本気で思っています。
この記事を読んで、少しでも吹奏楽部を魅力的だと感じてくださった方や、入部してみようかなと思ってくださった方がいれば、幸いです。
ぜひ、入部したい吹奏楽部の演奏を聴きに行くところから、始めてみていただきたいなと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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